アイワナビーユアドッグ

夢は既に終わったものもあるけどね

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宮内悠介『偶然の聖地』

Kindleで無料サンプルをダウンロードしまくり、途中まで読んで気になった本を図書館で借りるというお金のかからない遊びに気づいたため、10年ぶりくらいに突然読書ブームが到来しました。
これは友達になんの前おきもなく最近おすすめの本ある?と訊いたら教えてくれたんだけど、もともと雑誌の連載だったため細かく章が区切られていて、あたしのような集中力皆無人間には助かる。。三段組で上下に註がたくさんついてるのも好みの形式で、それも読み進む弾みをつけてくれたかも。話自体もおもしろくて、地図上にない幻の山をめざす4組の物語+ところどころに挟まる作者のエピソードがそれぞれ進行していくんだけど、その山は願いを叶えてくれる代わりに同じくらい大事なものを奪っていくとか、世界のバグを直す世界医とか、いちいちディティールが魅力的。しかも途中からそれらの話が同じ次元なのか違う次元なのかよくわからなくなってきて、え?え?となってると終盤でちゃんと謎が明かされて、一部と二部に分かれてる理由もわかるし、『偶然の聖地』というタイトルの意味もそういうことか〜〜〜!!!ってなる。軽い感じの読み物かと思いきや意外と伏線いろいろ貼られてたり物語がしっかり組み上がってて、でもいい意味で読後感は重くなくておもしろかった。